【連載】「セールス・プロセスの改善」とは(第2回)

【連載】「セールス・プロセスの改善」とは(第2回)

連載で「セールス・プロセスの改善」について説明しています。

今回のお話しは資料の「2.セールスの特徴」についてです。私が学んだ「イノベーションセリング」手法について、役立つ経験談を交えながらお話しを進めてゆきます。

本連載は下記からダウンロードした資料を見ながら読むことで理解が進むと思います。是非、ご利用ください。

「セールス・プロセスの改善_202008版.pdf」(ウイルスチェック済)

今回のお話しは資料の「2.セールスの特徴」についてです。

前回お話しした「イノベーション・セリング」について最初に私の経験談をお話しします。

イノベーション・セリングという手法は、日本でBMWジャパンを立ち上げ、その後東北大学の准教授などを歴任されたS氏が纏め上げた、セールスを科学的に体系付けた理論です(以降、先生と呼びます)。

イノベーション・セリングは、先生が積み重ねたマーケティングの実体験から生み出された手法で、かなり実践的な体系で構成されています。

この手法を読み解くことで、口だけコンサルの能書きよりも遥かに現場で効果を体験することができます。

当時は私(45歳)、それなりに大型案件を何件か受注したこともあり、プレゼン資料には自信がありました。
先生と出会った初日に「次回までに開発した製品のプレゼンをして欲しい」と言われ、私は快承。工夫を巡らした渾身のプレゼン資料を作成し、翌週先生へ自信満々でプレゼンに挑みました。

それは私にとって完全なプレゼンでした。

先生も拍手をして「素晴らしい」と褒めてくださいました。私はその時、有頂天でした。

そして・・

先生は「ところで、今のプレゼンはプロジェクトの皆さんができますか。プレゼンの内容は皆さんが合意していますか。」と聞かれ、私は返答に声が詰まりました。

私は、ある時はSE、ある時はプレSE、営業活動もして、それなりの成果も上げ、自信たっぷりでした。でもプロジェクトで開発された製品は全く売れず。

先生の一言で、自分は独りよがりで、自信過剰。自惚れていたことに気付きました。

「そのプレゼンはプロジェクトの皆さんができますか。プレゼンの内容は皆さんが合意していますか。」

先生のこの言葉は、大袈裟ですが私の以降の人生を変えた一言になりました。

プレゼンの後に先生は優しく添削してくれましたが、結局のところ私のプレゼン資料の全否定でした。

私のこれまでのプレゼンの概念はガラガラと音を立てて崩れ落ち、そして新たな取り組みを始めたました。

さて「2.セールスの特徴」を説明させていただきます。

セールスの特徴

セールスは表にあるように大きく3つに分類できます。

  1. イノベーション
  2. ソリューション
  3. プロダクト

それぞれのセールスの特徴を表に纏めていますが、③⇒②⇒①と高いセースルスキルが求められるようになります。

なぜでしょうか。

それはイノベーションを売るためには、企業改革視点で経営層に訴求し、導入効果を見える化して、経営判断を仰ぐ必要があるからです。

そして重要なことは個々のスキルだけではイノベーションをセールスすることは困難だ、と言う点にあります。

理由は明確です。

営業組織全体でイノベーション・セリングをできるようにし、”リード(見込み客)を出来るだけ多く獲得してセールス・パイプラインに乗せ、緻密なセールスを展開する必要がある”からです。
※緻密なセールスとは「戦略」です。

営業組織の連携を深める一番効果的方法が、最初の段階では困難かもしれませんが、導入事例です。

イノベーションの交渉成立(受注=導入事例)のプロセスは、社内の営業組織が必ず興味深く、かつその方法を得たいという気持ちでいます。

イノベーションの導入事例は、表にある「オーナ」の信頼を得るまでの活動の軌跡です。
そして大変困難なセールスのハードルを突破した、今後のセールス活動に活用できる貴重な営業ツールになります。

イノベーション・セリングはこのセールスプロセスを有効活用するためにセールスツールを使用します。

  • プレゼン資料
  • 活動評価表
  • アクションプラン などなど

そして導入事例も重要なツールです。

最後に、イノベーション・セリングで何より大切なことは「売り手と買い手のWIN-WIN関係」を醸成することが前提であることは言うまでもありません。

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