【連載】「セールス・プロセスの改善」とは(第4回)

連載で「セールス・プロセスの改善」について説明しています。

今回のお話しは資料の「製品開発、最初のステップ」についてです。よくある新製品のリリースで失敗してしまうケース、それを防ぐステップを説明してゆきます。

本連載は下記からダウンロードした資料を見ながら読むことで理解が進むと思います。是非、ご利用ください。

「セールス・プロセスの改善_202008版.pdf」(ウイルスチェック済)

今回のお話しは資料の「4.ステップ」についてです。

「ステップ」とありますが、”製品開発、最初のステップ”としてお読みください。

スタートアップの失敗要因

スタートアップの失敗要因を説明します。スタートアップとは製品をリリースした直後です。そこで「売れない」という厳しい条件を突き付けられた時に何が起きるのでしょうか。

「売れない」という厳しい条件を突き付けられた要因はなんでしょうか。以下の3つに絞られます。

①お客様が欲しいと思わないものを開発してしまった42%
②開発資金が枯渇29%
③チームが崩壊23%

以上3つの要因で94%です。ちなみに顧客は何も困りません。

余談ですが、②に関する私の”苦い思い出話し”をさせていただきます。

開発資金の枯渇

私が45歳の時に担ったプロジェクトの開発予算を算出し、発案役員に見せたときのことです。猛烈に怒られました。

「お前は馬鹿なのか?」
「この開発予算を考えたお前のスケール感がわかる。」
「うーん」・・・

決して怒鳴るわけではなく、静かに攻めてきます。そして腕組をして1分くらい考えて「お前に経理の先生をつけてやる。しっかり学んで作り直せ」と言われ尻尾を巻いて退散。

その経理の先生とは、これまた役員の経理統括のT氏でした。

予算審議を3日後に控え、T役員に教えを乞いました。べらんめえ調ですが、適確な教えでした。私の考えていることに対して、不足している事項、そもそも工数が全く足りないことなど、鋭い指摘を何発も食らい撃沈寸前でした。

その後、徹夜で再計算し、それぞれの根拠を明確にした資料を作成して予算審議を迎えました。役員からいろいろ突っ込まれましたが、T役員の教えがあって無事切り抜けました。

私のプロジェクトはスタートしその後苦難が続きますが、「②開発資金の枯渇」はこの時の予算積み上げで防ぐことができました。

製品開発の最初のステップ

上記②以外に①の「お客様が欲しいと思わないものを開発してしまった」、③の「チームが崩壊」を含めて、製品開発のスタートアップには2つのマーケティングをする必要があります。

余程の天才でもない限り、この2ステップを踏まないとスタートアップが失敗する可能性はかなり高いものになります。

【ステップ1】テストマーケティング●商品コンセプトの市場性の確認
●機能のフィット感を確認
【ステップ2】マーケティング●顧客の獲得
●ブランドの認知
●顧客問合せの獲得

テストマーケティングとはフィージビリ・スタディと同意です

【フィージビリティスタディとは】
計画された新規事業や新製品・サービス、プロジェクトなどが、実現可能かどうかを事前に調査し、検証すること。実行可能性調査/企業化調査とほぼ同義で用いられる。例えばあるメーカーが新商品の発売を検討する場合、意思決定を行う前段階において、市場性や採算性をはじめ、社内の体制、資金の確保、法的規制など、多角的な視点で調査・分析し、その実現可能性をします。
※エリートネットワーク「ビジネス用語」から引用しました。

机上で様々な戦略を考えて、その戦略が正しいかを第三者の意見(ヒアリング)を行い、その戦略の妥当性を計ります。

ここで失敗がちなのは、信頼のおける顧客に意見を問うた時です。顧客からこんな意見が寄せられます。

  • 面白い製品を考えたね。
  • 製品が完成したら紹介して。
  • この製品は我が社でも使える。

実はこうした意見に沿って開発を進めると失敗する確率が大きくなります。

大切なのはネガティブな意見です。

  • なんかよくわからない製品だね。
  • この製品を誰に売るの。
  • この製品は今のままでは使う部署がないな。

ネガティブな意見が顧客から出る理由は、当初のコンセプトが顧客に合っていないことにあります。

その貴重な「ネガティブ」意見をより具体的に聞き出すために、しっかり時間をかけて作り上げた「提案書」が必要なのです。

まとめ

問題を抱えている人が、貴社のソリューションを知った時に、
「それを売ってくれ!」
と、あなたに飛びついてくるのは誰なのか。

最新情報をチェックしよう!